「ゾウさん管弦楽団の音楽便り」Vol.5

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┃ ★音楽家からのメッセージ★
┃ 「大切な曲」
┃ バイオリン奏者・森田あやこ
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===「大切な曲」===
 
みなさん、こんにちは。バイオリン奏者の森田あやこです。
 
コンサート会場では「バイオリンは2歳から習わないとダメなの?」という質問をたくさんいただきます。著名なバイオリニストには2歳、3歳という小さなうちから始めた人は多いですし、「小さいうちから習わないと上達しない」というイメージが強い楽器です。
 

ところが私がバイオリンを始めたのは10歳で、多くのバイオリン経験者よりもずいぶん遅れてのことでした。このあたり、みなさまの多くが関心を持たれるところだと思いますので、私がバイオリンを始めたきっかけを紹介します。
 

バイオリンを始める前は、私は母の影響でピアノとエレクトーンを習っていました。当時は音楽や演奏にはそれほど興味はなく、小学生の高学年までにピアノはやめるつもりでした。音楽よりもお友達と会うのが楽しみで教室に通っていたのです。特に大きな目標も持たずピアノを続けていた小学4年生の冬、バイオリンに出会いました。
 

妹の友達に誘われ、同じ小学校の卒業生であるバイオリニストの訪問演奏を聴きにいきました。バイオリンの生演奏を聴くのは、その時が初めてでした。私はその場で、目の前で優雅に響くバイオリンの音色、中でも「愛の挨拶」という曲に一目惚れ。「私もあの曲をバイオリンで弾いてみたい!」と強く思ったのを今でも鮮明に覚えています。ありがたいことに、そのバイオリニストから先生を紹介していただくことになり、ピアノ以上に真剣な気持ちでバイオリンを習い始めました。
 

進学やクラブ活動などをきっかけに楽器の習い事をやめる人は多いですが、私は中学校に入ってもバイオリンを続けていました。中学校の3年間は短く、あっという間に受験生。最初は一般高校への進学を考えていましたが、憧れの「愛の挨拶」も弾けるようになったころにはバイオリンを続けたくて音楽高校への進学を決めました。
 

「愛の挨拶」という曲は、一つの習い事だったはずのバイオリンを今こうして本業にしてしまうほど、私にとって大切な曲になりました。今でもこの曲を弾くときは、他の曲とは違う、特別な想いが込み上げてきます。「愛の挨拶」をコンサートで披露することがあれば、今度は私がみなさまに大きな感動を与えられるよう、精いっぱい気持ちを込めて演奏したいと思います。
 


 
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